歯科コラム

歯の寿命は体の健康とどれくらい関係がある?

生きている以上、やはり健康に長生きしたいですよね。そして、単に長く生きるだけでなく、「いつまでもおいしいものを食べながら長生きしたい」と思われている方も多いでしょう。
そのためには、健康寿命と一緒に歯の寿命も延ばす必要があります。
なぜなら、歯の寿命と体の健康には深い関係があるからです。歯の健康が全身の健康を支え、全身の健康が口の中を健全に保つのです。
今回は、武蔵新田まつ歯科と一緒に、歯と全身の関係を詳しくみていきましょう。

健康寿命と平均寿命の違いについて

健康寿命と平均寿命の違いについて

日本は世界に冠たる長寿国になりましたが、厚生労働省はいま、健康寿命を限りなく平均寿命に近づけることに力を入れています。

日本人が亡くなる平均年齢のことを、平均寿命といいます。
一方、介護などを受けず日常生活に制限されない期間のことを健康寿命といいます。
平均寿命と健康寿命は、「平均寿命 ≧ 健康寿命」という関係にあります。

日本人の平均寿命は男性約80歳、女性約86歳です。
日本人の健康寿命は男性約70歳、女性約74歳です。
すなわち男性は約10年間(80歳-70歳)、女性は約12年間(86歳-74歳)も、介護を受けたりして健康ではない状態で老後を過ごさなければならないということです。

これはとても嫌なことですよね。

そこで厚生労働省は、「平均寿命 = 健康寿命」となるよう、さまざまな健康政策を打ち出しています。そのうちの1つが「8020」です。これは、80歳まで歯を20本残そうというキャンペーンです。
8020運動を国が推し進めるのは、それくらい歯の健康が健康寿命に密接に関係しているからです。

8020の人たちはスマホを使いこなす

兵庫県香美町は、80歳で20本の歯を残す「8020の里づくり」運動に取り組んでいます。ちなみに香美町は「かみちょう」と読みます、健康な歯を持つ人が多そうな町です。

香美町では、高齢者が歯を失ってもしっかりと入れ歯治療を行ったり、かかりつけ歯科診療所の仕組みを充実させたりして、町をあげて高齢町民の歯の健康維持に努めています。
その結果、1992年から2012年までの20年間で、8020を達成した80歳の人が約3倍に増えたそうです。
そして、8020の80歳の人は、歯の本数が少ない80歳の人と比べて、携帯電話の保有や自家用車に乗っている人が多いことが分かりました。
つまり、歯が健康な高齢者ほど、アクティブな生活を送ることができているということです。

歯を治療すれば「認知症にならない」「転倒しない」

愛知県知多半島でも、歯と高齢者の健康について調査が行われました。
その結果、歯が残っている人や歯の治療を受けている人は、歯の治療を行っていない人と比べて、「認知症の発症リスク」「転倒リスク」がどちらも低いことが分かったのです。

歯の治療をすれば介護要らずに?

歯の治療をすれば介護要らずに?

また、アメリカの調査では、次のことが分かっています。

●歯の残存数が20本以上の人の介護リスクを1とすると、19本以下の人の介護リスクは1.21に高まる
●なんでも噛める人の介護リスクを1とすると、ほとんど噛める人の介護リスクは1.17、あまり噛めない人の介護リスクは1.47に高まる

このデータは、高齢者が介護を回避するためには歯の健康が欠かせないことを示しています。

歯の寿命ってどれくらい?

「8020に向けて私も頑張ろう」と決意された方もいらっしゃると思いますが、80歳で20本の歯を残すことは決して簡単ではありません。

なぜなら、歯の寿命は60年しかないという説があるからです。
乳歯から永久歯への生え変わりは大体4~8歳ですので、70歳ぐらいには歯の寿命が尽きてしまうということになります。
ただ「歯の寿命60年」は平均の値ですので、8020の取り組みはこの60年をいかに延ばすかにかかっている、というわけです。

歯の数は上下で計32本あります。親知らずを上下計4本抜いたとすると、計28本が「完全な本数」となります。
8020は、上下で計8本しか抜けていない状態のことを指します。

日本人の年齢別の歯の本数は以下の通りです。
●50歳:上下計24.8本(抜けた本数は3.2本)
●60歳:上下計21.3本(抜けた本数は6.7本)
●70歳:上下計15.2本(抜けた本数は12.8本)
●80歳:上下計8.9本(抜けた本数は19.1本)

50歳までは5020を軽くクリアしています。60歳でも6020をかろうじてクリアしています。
しかし、70歳で7020が達成できなくなり、平均的なデータでは8020どころか8009になっているのです。

これらを踏まえると、次のことがいえます。

『60歳まで20本を維持しているからといって、80歳まで20本を維持できるとは限らない』

若いころの歯の治療が大切

若いころの歯の治療が大切

60歳で20本を維持していても、なぜ80歳までの次の20年間で12.4本(=21.3本-8.9本)も抜けてしまうのでしょうか。
それは、老化とともに歯がダメージを受けやすくなるからです。多少口腔内の環境が悪くても虫歯にならない人は確かにいます。しかし、そのような人でも、高齢化すると歯が弱まり、口腔内の環境が悪化しなくても歯が負けだしてしまうのです。

例えば、唾液には歯を強くしたり歯周病菌の働きを抑制したりする機能があるのですが、高齢になると唾液が少なくなるドライマウスになりやすく、歯へのダメージが増えます。

また、一見すると摩耗していないような歯でも、高齢者の歯は長年の使用によって確実にすり減っています。
歯の外側は硬いエナメル質で覆われているのですが、エナメル質の下は軟らかい象牙質になっています。エナメル質は虫歯菌をはね返すことができるのですが、エナメル質が薄くなると虫歯菌は容易に象牙質に到達できるようになるのです。
象牙質に虫歯菌が到達してしまうと、そこからの悪化は加速度的に速まってしまうわけです。

「高齢者だから義歯は要らない」は間違い

中高年でも、高齢になっても、しっかりと歯の治療を行いましょう。
「高齢になって食欲が落ちたから義歯や入れ歯などは要らない」という考え方は間違っています。
歯の治療をすれば食べる意欲が高まります。栄養バランスが取れた食事は、健康寿命を延ばすためには欠かせません。
歯の状態が悪いままだと、食欲はますます落ちてしまう一方です。

ぜひとも、歯の治療は歯のためだけに行うわけではない、と覚えておいてください。
健康維持のためにウォーキングをしたり野菜を多く摂ったりしている場合は、そこにもう一つ、健康維持のために歯をケアすることも加えてください。
歯と全身は直結しているからです。

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